2015年10月25日日曜日

知床トリップ

日本に残っている数少ない秘境、知床。
アイヌ語では岬を表す”シリ・エトコ”(大地の先っぽ)。

まさに日本の最果てにあり、良質な温泉や湧き水が湧いていて、オホーツク海の恵みである海産物も最高です。


見どころはたくさんあるのですが、幸か不幸か世界遺産に登録されているので、様々な制限がかかっています。
例えば知床五湖は、時期や場所によってガイドと同行しなければ歩いて回れなかったり、知床半島の先っぽである知床岬までは道が繋がっておらず、遊覧船でしか観に行くことができなかったり。
手つかずの大自然にはもちろんヒグマも沢山住んでいます。

しかし、ツアーやガイドを利用するとなかなかの金額になり、なにより自由に過ごすことが難しそうです。
そこで色々考えた結果、車でぶらぶら回ることにしました。
美味しいものを食べて、知床の雄大な景色を楽しみ、源泉かけ流しの温泉を味わう1日コースです。


前日入り  クリオネキャンプ場
朝出発   道の駅 斜里
昼食    そよかぜキャンプ場
観光    オシンコシンの滝
      知床五湖散策(一湖だけ)
      岩尾別温泉
      フレペの滝
      羅臼岳から国後島を眺める
      熊の湯


行程はこんな感じで、料金は道の駅の買出し以外は全て無料です。





クリオネキャンプ場の温泉 PH7.9 弱アルカリ性

朝から1日かけて見て回りたかったので、前日のうちに移動して知床入りしました。
拠点に選んだ宿泊先は斜里町にあるクリオネキャンプ場です。
キャンプ場と言ってもバンガローやコテージ、ライダーハウスにログキャビンといろんな形で宿泊できます。
最初はキャンプしようと考えていましたが、なんとここのゲストハウス棟に宿泊すると、館内の温泉に入り放題。しかも源泉かけ流しのモール泉です。
迷わずゲストハウス棟に宿泊することにしました。一泊一人2000円。

この道東地区ではモール泉がよく湧いていて、他にもいくつか入りましたが、ここの泉質が一番好きでした。ほどよい泡つきと芳醇な甘い香り、湯は薄い飴色。

風呂上がりに知床の海の幸を肴にビールを飲んで、寝る前にまた温泉へ。
朝起きて、温泉へ。

他に宿泊客もいなかったのでいつでも館内かけ流し入り放題で、まさに贅沢の極みでした。

クリオネキャンプ場はとにかくどこもかしこも綺麗に掃除が行き届いていていて、気持ちがいいです。
自炊可能な調理スペースには調味料も豊富に揃っていて鍋類も豊富。
WIFIもバッチリです。


斜里国道(244号線)から少し海側へ入ったところで、JR斜里駅から徒歩20分くらい。





道の駅 斜里

翌日、朝風呂に入ってから出発です。
まずは食料調達のために道の駅へ。オホーツク産の新鮮な海産物をお値打ち価格で手に入れることができます。働いている人たちも親切でいろいろな話を教えてくれました。
ここでは身のぎっしり詰まった毛ガニがなんと880円!
最高に美味しかったので家族やお世話になった友人に送りました。
後で分かったのですが、毛ガニで有名な網走よりも、この斜里の道の駅のほうが送料も毛ガニの値段も安かったです。


ちなみにオホーツク産の海産物は高品質、高価格のため、漁師さんは夏の間だけ半年働いて年収2、3千万を稼ぐそうです。冬の間は 漁もないのでお休み。冬の斜里のパチンコ屋さんは漁師さんでいっぱいだそうです。地元っ娘はみんな漁師の嫁が憧れだそうです。


かわいい毛ガニ。食べられるために生まれてきたかのようなうまさ、そして食べやすさ。

JR知床斜里駅から徒歩3分。斜里の街の中心にあります。





そよ風キャンプ場

昼食は道の駅斜里で知床牛を買い込んで、バーベキューをしようと思っていましたが、ヒグマや野生動物が多いためなかなかバーベキューをできそうな場所が見つかりません。
知床牛を買った肉屋さんに相談してみると、このキャンプ場を教えてくれました。

開放的な芝生が広がった気持ちいい場所で人もほとんどおらず貸切状態。
名前の通り本当にそよ風が気持ちいい!
溶けそうです。

近くの海岸で拾った流木を薪にして知床連山を眺めながら知床牛を焼きました。


至福の時。忘れられないバーベキュー。

斜里の街から国道244号線を標津方面へ進むとすぐに出てきます。






知床五湖

極上のセッティングの昼食で腹ごしらえをしたら、知床半島の海沿いを時計回りに上がっていきます。
迫力満点のオシンコシンの滝を見て知床五湖へ。

知床五湖は季節によって歩ける範囲が決まっています。ガイドをつけないといけない時期や、利用者のレクチャー受講が必要な時期、コースもあるので事前に下調べしてから訪れるのをお勧めします。
リアルタイムの様子を確認してみると(10月25日)今日は暴風のため終日閉鎖されています。
ホームページ要確認です。

五湖のうち一湖だけは、木造の遊歩道を利用して誰でも無料で自由に見て回ることができます。車椅子にも対応しています。
地上の遊歩道を利用すれば二湖から五湖まで見て回れますが、ヒグマの出没する時期に合わせて開放されたり、ガイドやレクチャーの受講が必須など、条件が変わってきます。
私達が訪れた5月はちょうどヒグマの繁殖期(5〜7月)でした。


一湖に映る知床連山


案内所には大きなヒグマの剥製が出迎えてくれるので、どうしても遭遇した時を想像して今います。

歩道を歩いて行くと、鳥の声は聞こえてきますが、それ以外に音はせず、普段の生活では感じられないような静寂の空間です。

視界からは人工物が消え、白い残雪が残る山、オホーツクの海、熊笹、湖、エゾシカ。
恐竜がいた時代を想像できるスケールの大きな景色。
静かな湖の湖面に水鳥が漂い、エゾシカが水を飲んでいます。

ふと気がつくと目の前の景色に心を奪われて無心になっていました。
これも日本の景色なのかと、誇らしい気持ちになりました。





岩尾別温泉 PH6.8 中性

そのあとは少し引き返して、日本最北東の温泉宿「ホテル地の果て」へ。
ここのホテルの駐車場を超えて川辺を歩いて行くと温泉が川の横で湧いていて、誰にでも無料で開放されています。
天然の温泉、いわゆる野湯(のゆ)です。
自然が作り出した湯壷はエメラルドグリーン色をしていおり、温度もちょうどよく、滝の音が聞きながら森林浴気分で入浴できます。


泉質はこれといった特徴のない感じの湯です。景色も絶景というわけではないのですが、個人的に野湯に興味があったので訪れました。そうでなければわざわざ寄らなくてもいいかもしれません。

でも、自然に温泉が湧いてきて湯壷になって無料で利用できることに感動していたので、私は満足でした。





フレペの滝

朝から動き出してこの時点で3時くらいでした。夕日を知床峠で見ることにして、もう少し時間があったのでフレペの滝を見に行きました。

往復小一時間の遊歩道を抜けると、一面にワラビが自生していました。見渡す限りワラビで、何万本?どこまでもワラビの草原が広がっていました。

ワラビの草原

食べごろのワラビ。てんぷらに、おひたしに。炊き込みご飯にも。

フレペの滝は川から流れ出るのではなく、切り立った断崖絶壁の途中から滝が湧いている珍しい滝です。
「乙女の涙」というキャッチコピーが付いていますが、激しい断崖絶壁とものすごい水量のため、乙女感は全く感じられません。
その断崖絶壁の上から見下ろすと滝が見えます。

岬から豪快に流れ落ちるフレペの滝とワラビの草原。知床五湖のような木でできた遊歩道もないし、野生に近づけるのはこっちの方かも。







羅臼岳と国後島

羅臼岳。北方領土からも見えるそうです。

斜里町ウトロ地区と、半島の反対側である羅臼地区を結ぶ知床横断道路(国道334号線)を羅臼方面に走ります。

この日の空は晴れ渡り、雲も少なく、知床峠に差し掛かるころに、羅臼岳が見えてきました。

言葉が出なくなるような存在感。圧倒されていると、ふと、海の向こうに国後島が見えました。
淡い夕暮れの空と海の間に、つーっと島影が伸びていました。

ロシアなのか、日本なのか、縄文時代にはどんな人が住んでいたのか。そもそもどちらの国の所有物でもない美しいシルエットの島を見ていると、感情と時間が混ざって複雑な不思議な気持ちになりましたが、島は静かに存在していました。

水平線に浮かんでいるのが国後島。島影に色気がある。

いつか行ってみたいなあ。
国後島はどこ掘っても温泉が出てくるようです!




熊の湯 PH7.3 中性  

日が落ちて少し体が冷えた頃、そのまま羅臼方面に少し車を走らせ熊の湯へ。
羅臼川沿いに「熊の湯」と看板が出てきます。

車を止めて小橋を渡って熊の湯へ。
地元の有志の方が管理してくださっているそうで、毎朝清掃してくださているそうです。清掃時間に訪れた人は手伝って欲しいと書いてありました。

湯船には羅臼の漁師さんが仲良さそうに、熱すぎる湯に浸かっていました。
湯は綺麗に白濁しており、肌触りも滑らかです。

知床の原生林の中で羅臼川の音が聞こえてきて、秘湯の雰囲気は抜群です。
しかし、なんせ湯が熱すぎたのでゆっくりはできませんでした。


源泉を飲むと出汁のように程よい塩加減、硫黄加減で美味しい!まるで卵スープを飲んだ気分です。
源泉を飲用してもよい温泉では必ず飲むのですが、ここが一番美味しかったです。




川沿いにあり、秘湯の趣あり。


旅人には無料の源泉かけ流し温泉、本当にありがたいですね。
地元の方にも愛されている温泉ですが、こちらも無料で開放されています。














このような行程で一日ゆっくりかけて知床の恩恵を堪能できました。

知床五湖はガイドさんと行くとより深い話が聞けると思います。遊覧船でしか見れない知床峠まで自力で歩いて行く人もいるみたいです。

知床はそれぞれの見たいもの、感じたいものによってどこまでも奥深い体験ができる場所だと思います。
くれぐれもヒグマには気をつけて、それぞれの楽しみ方で楽しんでくださいね!

2015年10月21日水曜日

地球で2番目に綺麗な湖の湧き水

北海道の湧き水

在私たちが住んでいるグアナファトは、もともと鉱山の繁栄によって栄えた街です。標高は2000mに位置しており、水は豊かではありません。人に聞いたり地図を見たりして湧き水を探していますが、中々見つける事ができません。
スペイン語で湧き水はManantialと言いますが、別の言い方で湧き水(または温泉)をOjo de agua と言ったりもします。先日キャンプに行った帰りに田舎町で「Ojo de agua」の看板を見つけたので、もしやと思い、ダートの山道を1時間くらい登って行ったのですが、そこは「Ojo de agua」という地名の集落でした。

優しいメキシコ人の家族が、
「どうしてこんな山奥に来たんだい?ここには湧き水は無いよ。でも、ここからさらに30分ほど奥へ行けば井戸みたいなのはあるよ」
と教えてくれましたが、苦労の割には普通の水っぽい雰囲気だったので諦めました。



湧き水も川も湖もですが、つくづく日本は美しい水にあふれている稀有な国だと感じます。
地球は水の惑星と呼ばれていますが、世界中で安全な水資源を利用できている地域は、日本、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアに限られています。
水道をひねれば料理に使える水が出て、少し車を走らせれば湧き水を汲むことができるという状況は、素晴らしい環境だと思います。


5月に訪れた北海道にも美味しい湧き水がたくさん湧いていましたが、その水源を含む山や森が中国の外資系企業や個人に買収されているという話を耳にしました。
アメリカ政府の発表では2040年には世界の水資源が限界に達するという警告も発表しています。
地球全体で考えると、綺麗な水が当たり前に身の回りにあるという状態は、決して普通ではありません。


そんな貴重で美味しい、今は恋しくてたまらない北海道の湧き水の紹介です。



馬追山・馬追の名水


前には駐車スペースもあり、汲みやすい。


体験住宅で1ヶ月暮らしていた北海道長沼町、馬追山の麓にある湧き水です。私有地に湧いている水なのですが、地主の方が小さい頃に野良仕事の休憩の時に飲んだ湧き水が、冷たくて美味しくて幸せだったので、この幸せを多くの人と共有したいという願いから一般開放されています。

水源は取水口から4km離れた山の中にありそこから水を引いて管理してくださっています。
一時はマスコミにも取り上げられたため、マナーの悪い利用者が増え、監視カメラや日中のみ利用可能な取水制限がかかっています。有志による運営管理なので、維持費用のための募金箱も設置してあります。
自分の土地に湧いている水をわざわざ山の中から引っ張ってきて、一般開放して提供してくださっている地主さんや地域の方に尊敬の念を覚えます。有難いです。


今はもうブームも去ったのか、それほど混雑することなく水を汲むことができました。取水口は3つあり、水量も豊富です。豊かな山から湧き出る冷たくて美味しい水です。

長沼町の水道の水は個人的に合わなかったので(肌がガサガサになった)、毎日の食事からコーヒーまで大変重宝させてもらいました。
家からここまでランニングして、湧き水を飲んでまた戻るコースが贅沢でした。

場所は、長沼町役場からまっすぐ東に向かった馬追山の麓です。役場からは5分もかかりません。






摩周湖・摩周の伏流水

アイヌ語で「山の神の湖」と呼ばれている摩周湖。透明度が高く神秘的な雰囲気の湖です。湖に流入している河川はほとんどないにも関わらず、湖の水位が一定に保たれているそうです。理由は、その周辺から湧き水が湧いているため。
河川の流入がなく、都会からも離れているため摩周湖の透明度は世界2位。つまり地球で2番目に美しい水です。ちなみに1940年代には世界1位!40m下まで可視可能だったそうです。
その澄んだ湖の伏流水が湧いていると聞き、行ってきました。

国道沿いにあるという情報を頼りにしばらくその辺りをうろうろして、最終的に近くの喫茶店の店長さんに教えてもらいました。
その喫茶店の庭でも水がこんこんと湧いていたので、これももちろん摩周湖の水なのだろうと店長さんに聞いてみましたが、「分かりませんね〜」とにっこり。
このあたりは美留和という集落で、あちこちに水が湧いています。水源が摩周湖なのか、美留和川なのかあまり気にしてないみたいでした。


水回りの植物も綺麗

良い湧き水が湧いている場所は基本的に綺麗で、なんとなく風水が良い感じです。
有名な名水と呼ばれている中には、水は湧いているものの、その周りの環境が荒れている場所もあり、そういう場所の水はなんだか美味しくありません。
でもここは完璧。

水はもちろん最高に美味しかったです。今まで飲んだ湧き水と比較しても1ランク上の湧き水です。神々しいです。こんなに綺麗な美味しい水は、世界中を探してもそう多くはないんじゃないかと思います。

摩周湖を眺めて堪能してから湧き水を飲むと、壮大な自然が自分と融合した感じを味わうことができます。

ああ…。飲みたいなあ。今。日本酒も焼酎も飲みたいけど、一番今恋しいのは水です。



弟子屈(てしかが)町美留和(びるわ)地区にあり、国道391号線沿いの西側。ちょうど摩周湖と屈斜路湖の間くらいに湧いています。





2015年10月16日金曜日

稲倉石は積丹ルビー

菱マンガン鉱 Road chrosite 

北海道は日本でも鉱物採取がまだできる貴重な場所です。
その中で今回私たちが訪れたのは稲倉石鉱山跡。積丹半島の根元あたりの鉱山で、昭和59年に閉山しています。
稲倉石というのは地名でもあり昔は集落もあったようですが、今は跡形もなく、閉山後の採石場も稼働していない状態です。


稲倉石には呼び名がたくさんあります。この地域では積丹ルビーと呼ばれたり、インカローズと呼ばれたりしていますが、鉱物名は菱マンガン鉱(ロードクロサイト)です。


廃村を抜け、採石場を通って山に入ります。ちょうど山菜の時期で、山菜を取りに来ている人たちと出会ったので、あいさつをしてヒグマが出るか聞いてみました。

するとにこにこしながら「ヒグマ、この辺りでるよ」と教えてくれました。


そう言われてしまうと、頭の中はヒグマでいっぱいです。熊よけの鈴は持っていましたが、鉱物採集は地面に意識を集中するため、隙だらけです。


菱マンガン鉱は欲しいけど、ヒグマと遭遇するのだけは勘弁です。悩んだ挙句、一旦引き返して作戦を練り直しました。いろいろ調べていくと、採石会社の社長さんが鉱物採掘体験教室を開催していることが分かりました。
(→現在は鉱物採取体験行っていないようです。2017年10月追記)

早速電話してみると、すぐに対応してくださり、社長さんの家で待ち合わせをすることに。
約束の時間に社長さん宅を訪れると、奥さんと一緒に出迎えてくださいました。鉱山のことやその後の採石場のことを話しながら、菱マンガン鉱や黄鉄鉱など、稲倉石鉱山産の鉱物を見せてくれました。


その後、社長さんの運転する車で再度鉱山跡へ向かいました。さっきと違って山の持ち主と行くと全然怖くありません。話を聞くと、採石のために岩山をダイナマイトでバンバン吹っ飛ばしていたので、ほとんどヒグマもでないとのことでした。



社長さんについていく

社長さんは鉱物にさほど関心はないようですが、菱マンガン鉱を求めて全国、時には海外からも鉱物ハンターが来るので、どんなものが欲しいかは理解してくれています。山道を歩きながらころころ転がっている瑪瑙や黄鉄鉱、水晶を目ざとく見つけてくれます。



鉱山の上の方。仮面ライダーのロケができそう。
鉱山の上の方まで行くとすごい規模のズリ(必要でない石の捨て場)です。
関西の山ではなかなか見られない鉱物がゴロゴロ落ちているので、興奮しながらしばらくの間、石を割ったり探したり眺めたりと、楽しませてもらいました。


それにしても、ダイナマイトの破壊力ってすごいんですね。あまりにも強烈なのでそりゃヒグマも逃げるだろうなと思いました。
鉱山って鉱物目当てに自然を跡形もなく吹っ飛ばしているので、今だと自然破壊になるのでしょうか。需要があって、必要だったから稼働してたけど、マンガンも石炭も必要でなくなった今はただの削られた山です。
人間って本当に環境に影響を与える生き物だと思います。


そんなことも考えながら、せっせと欲深く鉱物を拾い集めました。
菱マンガン鉱は下の写真のように、母岩の中に隠れていることが多いようです。
これを割ると…


中は綺麗なピンク色!


ハンマーでそれらしき石を叩くと、中から鮮やかなピンク色が出てきます。

結晶の造形美は見れば見るほど引き込まれます。遥か昔の縄文時代も、遠くエジプトでも宝石が珍重されたように、人間はこれを美しいと思うようにできている気がします。



奥様にいただきました

手頃なサイズのものはほとんど見つかりませんでしたが、なんせすごい量のズリが残っているので、あの中にはまだ良いコンディションのものも眠っているかと思われます。

今回大変お世話になった社長さんは採掘体験をしつつ、釣り船も出していらっしゃるそうです。私たちが訪れたのは5月でシーズンオフでしたが、鉱物採集をして釣りをして、その魚を近くの野塚野営場で焚き火で焼いて食べるコースも楽しそうです。





2015年10月14日水曜日

グアナファトの中古車事情

グアナファトは綺麗な街なのですが、しばらく過ごしていると退屈になってきます。
近所の村を訪れたり、必要な物を買い出しにいったりと、なにかと車が必要な場面があるので、中古車を購入しました。
こちらもビザの申請と同じく、振り返るとスムーズに進んでいた事がわかるのですが、最中は先が見えずに大変でした。
それでもなんとか、拙い語学力ながらも無事中古車を購入できました。
手順は以下の通りです。


自動車免許の申請

まずは免許の申請から始めました。グアナファト州の場合、Transporte del estado という免許センターに必要書類を持参して申請しに行きます。場所はTransitoというバス停の近くで、グアナファトの高速道路入り口からサンミゲル方面へ5分くらいバスで行くとあります。


グアナファトの免許センター。親切な人が多くまあまあスムーズ。


必要書類
・日本の免許
・パスポートのオリジナルとコピー
・公共料金の明細(水・電気・電話など)のオリジナルとコピー(名義が家主でもOK
・健康診断書 (Certificado Medicoと呼ばれている書類で、視力や血液型の記載されているもの。街中のMedicoに行って頼むと、その場で書いてくれる。40ペソくらい)
・レジデンシャルカード(在留許可証)


タトゥースタジオの左がMedico。街中にいくつかある。

以上の書類を持参して申請。有効期限2年で478ペソでした。
3年前の情報に比べて、金額が倍近く上がっていました。



車を探す

免許書を手に入れたら次は車探しです。メキシコで車を購入する方法はいくつかあるのですが、まずは、家の近くに駐車してあった車の窓に$マークと電話番号が書いてあったので、連絡して車を見せてもらいました。この方法は珍しくなく、街中を走っている車の窓に$マークが書いてあるのをちらちら見かけます。

18万kmで26500ペソ



エンジンをチェックしてもらいます


 家のすぐ近所で見つけた上に、グアナファトの中古車では珍しいオートマ車。「これで決まれば嬉しいなー」と、ドキドキしながら通訳&メカニックと一緒に車を見に行きました。ドキドキしながら試乗して、50mくらい走ったところの坂道で突然エンスト。

車の持ち主は、「3ヶ月前に車を買って、エンジンは最近積み替えたからバッチリだよ!」と言ってたんですが、そんなに早く手放すのはなんだかおかしいと思いました。どうにも印象が良くないので、少し考えさせてくれ、と伝えると「今週末にチアンギス(青空市場)に出すから、早く決めないと他の奴に売っちゃうよ」と強引なクロージングをされました。
なにかと信用できない雰囲気だったのでこの車は却下。
そしていまだにこの車は売れることなく、家の近所をうろちょろしてます。


その後も引き続き道の車をチェックし続けるも、なかなか条件に合う車が見つかりません。毎週土曜日に発行されてるグアナファトの情報誌、”CHOPPER”を見て、売りに出されている車をチェックしていました。しかし、CHOPPERには文字情報だけで写真がなく、値段も書いていないことが多いので、選びきれず。

インターネットでも”Segunda mano”や”Mercado libre”といった”売ります買いますサイト”を見て、条件にあった車を絞り込みました。サイトで見つけた車の持ち主に連絡して、会う約束を取り付けます。
電話で知らない人とスペイン語で約束をするのは私たちにはまだ難しく、快く車探しに協力してくれた友人が、売主との会う段取りや、通訳を引き受けてくれました。


16万kmで21000ペソ。


電話でアポを取ってもらい、メカニコと一緒に車を見に行きます。エンジンや足回りをチェックしてもらい試乗。隣街へ行ったり、アポを飛ばされたり、エンジンを見せてもらえなかったりしながら、個人売買の案件を全部で4台見ました。


エンジンを見せてもらえなかった。12万kmで34500ペソ


また、Miaが前から目をつけていた謎の中国ディーラー"FAW"にも行きました。事前に調べていたところ、メキシコの新車ではここFAWが最安値でした。しかし、実際に行ってみるとトラックしか並んでいません。店員さんに話を聞いてみたところ、なんと普通自動車部門はすでに撤退しており、トラック一本に戦略変更されていました。危ないところでした。
ほんの何週間前までは普通車展示してたんですが…。


13万kmぐらいで24000ペソ。同じコンディションだとレオンの方が安い。
立地、雰囲気、関係性も、グアナファトが京都でレオンが大阪のよう。


そんなこんなでいろんなアプローチをしてみましたが、結局最後は隣街レオンの中古車屋で条件に合う車がようやく見つかりました!
5台目でようやく不安要素のない車が見つかった時には本当に嬉しかったです。


このような経験を経た私たちがオススメする車探しの方法は、語学力に自信がない場合はレオンの中古車屋さんを何件か見て回るのが良いと思います。その後の手続きも助けてくれるますし、店を構えているという安心感もあります。
語学力に自信がある場合は、個人交渉の方が安い値段で手に入れる事ができるでしょう。ハズレも多いですが根気強く探せば掘り出し物も出てきそうです。


ついに発見!17万キロで34500ペソ。


メキシコでは車の輸入に制限があるため、中古車の相場価格が総じて日本より高く、90年代後半の車が20万キロくらい走っていても2,30万円の値段が付いています。その反面、車の修理整備にかかる費用が驚くほど安いです。
例えば私たちが日本で乗っていた車の窓(電動)が閉まらなくなった時、修理に4万円かかると言われ、10万くらいで買った車だったので手放した事がありました。しかし、同じ修理作業がこちらでは2000円かからないくらいで治してくれます。
実際見た4代の車も全て修理が必要だったのですが、「どの修理も大体1000円から2000円でできるよ!」とメカニコが言ってました。
TPPが動き出せば中古車の相場も変わるかもしれませんね。



ナンバープレートの登録

いよいよ車を手に入れました。あとはもう一度免許センターに行って、ナンバープレートを登録すればおしまいです。
この時に必要なのは

・Factura(車検証みたいな書類です。裏に歴代の持ち主の名前が記入されていて、購入した時に自分の名前を追加する)
・免許証
・公共料金の明細
・当該年度の税金支払い証明
費用 1372ペソ

ナンバープレートは2日後に発行してくれました。その間の運転に必要な”プレート発行待ち”の書類作成に70ペソ。この書類を窓に貼っておけばプレートなしで公道を走っても大丈夫です。探し出してからナンバープレートを手に入れるまでおよそ1ヶ月弱。私は2台見た時点でもう大分めんどくさくなっていまいましたが、Miaが根気強く頑張ってくれました。


個人売買をしている人の中には時々胡散臭い人がいましたが、中古車販売のお店や整備工場、免許センターの人たちは皆協力的で信用できる人たちでした。仕事も丁寧で早く、融通も聞いてくれました。


最初に試乗した車は相変わらず家の近所の坂道を登れていないので、試乗とエンジンチェックは必ずした方が良いと思います。
車が来てからも駐車場探しや整備などこまごました事はありますが、快適です!


2015年10月6日火曜日

山菜の王様

タラの芽

山菜の王様は何人かいらっしゃるようなのですが、一般的に有名な王様はタラの芽ですね。
山菜好きなら春山に入れば必ず探してしまうのではないでしょうか?
タラの木はトゲが多く、一度覚えてしまえば見分けやすい木です。人気を好む植物で、民家の近くや山道に沿って生えていたりします。

タラの木は上に向かってまっすぐ生えており、先端の芽を太郎っぺと言います。太郎っぺより下の芽を二郎っぺ、その次が三郎っぺと、兄弟のように呼ばれていて、その中で採取しても良いのは太郎っぺだけと言われています。
通常は枝分かれせずにまっすぐとした一本の木に育ちますが、芽を毎年摘まれることで枝分かれしてより大きな木に育ちます。芽摘みに対抗して繁殖力を強めるのですね。良いバランスで人間がタラの木と関わることができれば、収穫量も増えてタラの木も大きくなりますが、繁殖力を上回るほど取り尽くしてしまうと枯れてしまいます。
摘む時は太郎っぺなのか、二郎っぺなのか、木を見て判断して摘みましょう。


王様の風格




タラの木と間違いやすい木でハリギリという木があります。芽の形も良く似ており、同じようにトゲのある木です。見分け方ですがタラの木は先端に節があり、ハリギリはありません。タラの木の節も大きくなると消えていきますが、枝先には節が残っているのでそれで判断できます。ハリギリの芽も美味しくいただけるのですが、より香り高いのは王様、タラの芽です。


自分だけが知っているタラの木の場所を覚えておいて、春になると見に行きます。他の人に取られていないか心配しながら山に入り、「あー無事だったね!」と再会を喜んですぐ芽を摘みます。タラの木はどんな気分なのかな。
木をいたわりながら、木のサイクルを応援するように付き合っていきたいですね。
二郎や三郎にまた来年会えますように。



シドケ

そしてもう一人の王様はシドケ。山菜・葉物部門の王様です。山菜らしいほろ苦さもあり香りが強く、おひたしにすると美味しいです。好き嫌いがありそうなクセの強い味ですが、クセが好きな人は大好きだと思います。
生息地は日本中ですが、京都にいる時は見たことも耳にしたことがありませんでした。東北・北海道では道の駅や産直スーパーなどにもよく売っていました。

正式名称はモミジガサで、葉の形がモミジに似ています。北海道ではギョウジャニンニクとシドケの群生地が重なり合っていて、ギョウジャニンニクを追いかけてるうちにシドケ
がでてきて、それを追いかけてるとまたギョウジャニンニクが!
と、自然に誘われ山の奥へ奥へ進んでしまい、気がついた時には道に迷ってしまいました。


なんとか無事に帰宅して、天ぷらやおひたしにして美味しくいただいた後、余韻を楽しみながらシドケのことを調べていると、恐ろしい事実が判明しました。
どの山菜も、間違いやすいよく似た植物があるのですが、シドケと似ているのはなんとトリカブト。猛毒を含有しているあのトリカブトです。
特に芽出し直後のトリカブトは、シドケによく似ており死亡事故も珍しくないようです。
トリカブトの写真をよく見て、恐る恐る自分が撮影したシドケと見比べます。


間違いなくシドケ


多分…大丈夫!でも…写真に撮ってないのもいっぱい食べたし…

さっきまでの幸せな気分が一転して、1枚2枚トリカブトの葉っぱが混ざってたらどうしよう、死んだらどうしようと勘繰り始めてしまいました。


悶々とした時間を過ごしましたが結果は何事もなく、シドケだけを間違うことなく採集できていたようです。葉が開ききれば形の判別はできますが、若い芽だと判断が難しいようです。トリカブト、ヨモギやゲンノショウコウにも似ているので気をつけましょう!

遭難の恐怖、ヒグマの恐怖、トリカブトの恐怖…
北海道の自然には、いろいろ教えてもらいました。


山菜を最初に自然の中で見つけるまでは、見分けがつかないと思っていました。
でも、よく写真を見て形を覚えたり、山に入って先輩に教えてもらったりして一度認識すると、次からは自然と目の焦点が合います。沢山の植物の中からでも不思議なくらい認識できます。
それは、”この形の植物を採取して食べて美味しかった”という経験が記憶に作用しているのだと思います。経験を伴った記憶は強く残ります。
来年の春、ぜひ一度試してみてください。