2015年12月27日日曜日

シャスタトリニティでフリーキャンプできる場所と酸性泉の掛け流し温泉

アメリカの家賃・宿泊費の高騰がすごいです。


サンフランシスコでは、在住している友人の話では平均家賃が2800ドルぐらい。
日本円にして大体35万円くらいと言ってました。


シリコンバレーに富が集まりすぎたせいか、にわかには信じられないような価格帯になっています。


ニューヨークでも一泊の平均宿泊費が200ドルくらいとか。
いつの間にそんなことになってたのか全く知りませんでしたが、なかなか旅人にとっては厳しい国になってきています。
世界の中心は日々変化しているってことですね。


そんな狂った物価ですが、それでもそこは自由の国アメリカ。
フリーでキャンプできる場所もたくさんあります。


その中でも北カルフォルニアのシャスタ近辺のキャンプ場はフリーなんだけど環境が抜群で、アメリカが生んだ偉大な自然詩人、ゲリー・スナイダーが唱えていたSense of the place(場の感覚)を体感できる場所だと思う。


地続きだけどもカナダやメキシコとはまた違った、琴線に触れる気持ちのいい環境がそこにはある。

























シャスタ山の周りには良い水が沢山湧いたり流れたりしていて、空気は澄み、とてつもなく星が綺麗。
町にいる人たちは少しエキセントリックだけど攻撃的な人を見かけることはなく、皆フレンドリーに接してくれる。


地球上には手つかずの美しい自然の景色がまだ少し残っているけど、このシャスタトリニティー地域の景観は特に素晴らしく、人の心を打つ絵画のような風景を沢山見ることができます。


そんなシャスタの大自然を満喫できる、フリーキャンプ可能な場所や温泉のご紹介です。









Castle lake Campgroundo
キャッスルレイクキャンプグラウンド

シャスタの町から見るとシャスタ山の反対方向にあるキャッスルレイクのキャンプ場。


利用期間は5月の雪解けから11月頭までで、その間は無料で利用できます。
トイレはありますが水場はないので、飲み水などは持参しましょう。
テントを張れる場所は全部で6サイト。連続して3泊まで宿泊することができます。


フリーのキャンプサイトなんだけど、管理人さんも常駐しているので安心感が保たれているのが嬉しい。
あまり大きなキャンプ場ではないので、大きなトレーラーなどは中に入るのが難しそうです。


わたしたちはすぐ横にある湖のキャッスルレイクには結局行かなかったけど、町で買ったクラフトビールを飲みながら静かな夜を過ごしました。


町からもそう遠くなく、トレイルの起点にすることもできる使い勝手の良い立地。
キャッスルレイクからのトレイルの先には、恋愛の妖精が住むらしいハートレイクもありますよ。






Castle lake Campgroundoの近くのプリミティブキャンプスペース


キャッスルレイクでキャンプする予定だったのですが、なんと到着した時点ですでにフルブッキング。
どうしようかと困っていると、キャスルレイクキャンプグラウンドの管理人さんがこの場所を教えてくれました。


キャンプ場の200mほど手前に車が入っていけるスペースがあり、その奥のスペースでキャンプができます。
もちろんただの空きスペースなので水場、トイレ、電気はありません。


天気が良ければシャスタ山を一望できるはずですが、私たちが訪れたときはシャスタ山には大きな雲がかかっていて、結局最後までその姿を見ることができませんでした。


私たちのほかにもキャンプをしている人は何組かいて、歩いて見て回ると焚き火の後など人の痕跡がところどころに残っていました。


森ではなく、山肌が露出している茂みの隙間でキャンプをすることになるので、悪天候の日は風や雨を遮るものがなにもないので要注意。


そのぶん空がとても近く、人生で一番綺麗な星空を見ることができました。
天の川がはっきりと見え、空一面に広がる数え切れない星々。
当たり前すぎて普段は意識していない宇宙をはっきりと認識させてくれる星空でした。


壮大な天体観測を存分に楽しんだ後、そろそろ寝ようかなとテントで寝袋にくるまっていると、突然空がピカッと光りました。
雷のような一瞬の光ではなく、もっと強くて長いはっきりとした光。
なんの光かは結局不明でした。


UFOが来て、宇宙人にさらわれるならここしかない!というような場所です。










Panther Meadows
パンサーメドウズ


シャスタ山の8合目にあるキャンプ場で、シャスタの中でも特に神聖視されている場所。


テントサイトは全部で15箇所あり、なかなか広いスペースがあります。
こちらもテーブルやトイレはありますが水場はありません。
シャスタ山の中腹にあるので、利用期間というか道が開けているは雪解けの間のみ。


パンサーメドウズの森の中には雪解け水が湧き出ていて、夏場だけに咲き乱れる高原植物はなんと300年もの時をかけてゆっくりと生きているものもあり、珍しい植生が保たれているそう。



この場所を知ったきっかけは、サクラメントリバーのヘッドウォーターを汲んでいる時に出会ったおじさんに、


「君たちはそんなに湧き水が好きなのかい?それならパンサーメドウズがシャスタで一番美しい場所だから、是非行ってごらん」


と教えてもらったこと。


サクラメントリバーですでに度肝を抜かれていた私たちは、
この水よりさらに綺麗な湧き水があるなんて!
と、早速その足で訪れたのですが、いざ山に入るとあいにくの霧。
なんとか水が湧いているところまで行ってみたかったのですが、濃い霧のおかげで10m位先までしか見えません。



キャンプしていたおじさんに話しかけてみたものの、イマイチ話が通じず。
しかも話の途中でハッとした顔で森を指差し、


「湧き水か?湧き水はどこだろうな。俺はそこを知っているぜ。でも忘れたかもしれない。トレッキングをしたいのか?でも今は、、おお、今そこに精霊がいたぜ…。スピリチュアルだぜ…。」


ええ??!と思って話を続けるも、しばらくするとまた話の途中で精霊をすぐに発見してしまうおじさん。



悪い人ではなかったのですが、説明もよくわからないし日も沈みかかっていたので、湧き水や高原植物の生息している場所までたどり着くことができませんでした。
残念。






シャスタの温泉。酸性泉です。
施設内写真撮影禁止だったので写真はありません。


町から車で15分くらい走った森の中にあるこの施設にはティピがいくつか立っていて、そこに宿泊することも可能。
ほかの建物もすべて木造の有機的な建築で統一されています。


料金は結構高くて、バス&サウナの利用でビジターは30ドルぐらい(住人はもっと安い)しますが、その価値は十分にある温泉施設です。


通年営業しているようですが、天候による変更もあるそうなので事前にHPで確認してから行く方が無難だと思います。予約も可。



予約しないで訪れた場合、まず受付で個室の空きを確認してから、空いていたら中に案内されます。
日本人の利用者も多いためか日本語での案内メニューもありました。


受付をした後で体にまく用の薄い布やタオルを渡されると、中では一人ずつ浴槽のある個室と、共同のサウナやテラスが利用できます。


個室の部屋のバスタブにはたっぷりと源泉が注がれていて、裸で入ることができます。
体や髪は共同のシャワースペースで洗うようになっています。
施設内は清掃が行き届いていて清潔に保たれています。


そして、水風呂の代わりとなるのは横に流れる天然の小川。
施設内を移動するときにはみんな渡された薄い布を巻いていますが、小川は裸で泳いでも大丈夫!
温泉やサウナで汗をかいた後に裸で綺麗な川で泳ぐと最高に開放的な気分になります。


硫黄臭がするヌルヌルとした気持ちのいい温泉に使って小川で泳ぎ、サウナで汗をかいて小川で泳ぎ、テラスで休んでまた小川へ。


海外の温泉にありがちなプール感覚の温泉ではなく、しっかり裸で湯に浸かれるのが最高でした。





また、ここはヨガやスピリチュアル系のリトリートなどにも使われているようで、日本人の姿も多かったです。


ちなみにサウナは共同なのですが、どこの国でもおじさんのサウナでのリアクションは万国共通なようで、

「Hoou---!Huuuuu! 」


とやたらと激しい息づかい。
場所が場所なのでおじさんも座禅を組んだり、ヨガのポーズをとったりしています。

全裸で。


日本人のスピリチュアルなおばさまの真横で全裸のおじさんが四つん這いでポーズをとっている様はまさにカオス。


めっちゃ面白かったです。






なんか、マンガみたいなんですよね。アメリカの日々って。
また行きたいな。

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