2016年12月10日土曜日

奇跡の木、モリンガの種を物々交換しませんか? (メキシコ限定)





インドに伝わる伝統医学のアーユルヴェーダ。
サンスクリット語を直訳すると「生活の知恵」という意味の伝統医学。
近年注目を集めだした予防医学の最先端は、結局のところ何千年も前から伝わってきた自然療法で、それがぐるっと回って再び最先端になってきている。


そのアーユルヴェーダにも用いられている植物の一つがモリンガ。
和名はワサビノキ。
栄養素が豊富で、葉、花、茎、根、種とすべて薬用かつ食用として利用できる。


モリンガの木は、なんと通常の植物の20倍もの二酸化炭素を吸収して酸素を排出する。
さらに、その種をすりつぶすと水を浄化する作用もある。
なんでも、モリンガの種に含まれるタンパク質が、水に含まれるバクテリアなどの細胞を溶かし、沈殿させるのだとか。


葉は空気を浄化し、種は水を浄化する。
今の世界で注目されるのには十分な魅力。
もっとも、インドでもエジプトでも、何千年も前から人々には知られていたその力が、
今になって もう一度再発見された形だ。


環境にも人体にも有用という、スペシャルな植物であるモリンガは、奇跡の木と呼ばれている。
今までもお茶になったり粉末になったりして、世界のオーガニックマーケットで売られているのをなんども見かけていた。


そんなモリンガが、うちの敷地内に生えているのを見つけた。
種も実りまくっている。
そこで思いつきました。


モリンガの種を物々交換したい!


植物を種から育てる経験はなんとも面白いものです。
オーガニックマーケットで売っているモリンガにお金を払って買って食べるのと、自分で種をまいて育てて収穫して食べる事の違いを感じてもらえると思うのです。


モリンガを見つけてから、物々交換を思いつくまでの経緯は以下にて解説していきます。








モリンガを見つけた


カンクンで最初にモリンガを見つけたのはチアンギスでした。
粉末状になったモリンガを使ったジュースと、モリンガの苗が売られていました。


前に見かけたのはバリかチェンマイのマーケットだったと思うのですが、久しぶりに目にしました。


「あーメキシコでも売ってるんだ。気候がアジアと似てるもんね。」

「葉酸とりたいな。飲もうっと。」


Miaとそう話しながら何気なくジュースを一本購入して飲んでいると、チアンギスを案内してくれていたフランシスコがボソッとつぶやいた。


「これ、うちの敷地に生えてる。(フランシスコは私たちの住む集合住宅の守衛)なんでこれが売ってるの?食べれるの。」


食べられる野生の植物の知識にプライドを持つフランシスコは、自分の知らない植物がマジカルツリーとして売られている事に驚いていました。


私たちは私たちで、近所に生えているという事を知り、うちに戻ったら本当にモリンガの木か確かめに行く事になりました。


なんでも2年ほど前にとあるセニョーラが撒いた種があっという間に成長して木になっていると。


果たして、うちに戻ってその木を見に行くと、モリンガでした。
しっかり木になり花が咲き、種が実っています。















モリンガを食べてみた


早速採取して食べてみる事にしました。
まずは葉っぱから。


スープにいれたり、スムージーにしたり。
味や香りや癖はほとんどありません。
味そのものを楽しめる日本の山菜とは違います。


栄養価 が高いとわかっていても、食べてすぐ実感できるものでもないので、いまいちピンときません。


続いて、種を食べてみました。





茶色くなったさやをパカッと開くと、豆のように種が並んでいます。
一つ一つの種についている薄皮をむくと、中から真っ白な種が出てきます。


食感は柔らかく、綿を固めたような不思議な食感。
最初の一口はほんのり甘く、その後渋みと苦味が口に広がります。
ナッツのような香ばしさも少し感じます。
渋柿ほど渋くはないですが、しばらく口に残る渋み。
個人差はありそうですが嫌な感じはしません。


口の中が渋くなったので水を飲むと、なんと水が甘く感じます!


「モリンガの種って、食べるとなんでも甘くなるやつだっけ?ミラクルフルーツかなんだか、そんなのあったよね?」

「あったあった。こんなんじゃなかった気がするけど…。でも同じ作用やね。
 苦っ!水は甘っ!」


葉っぱと違い、種は体にいい食べ物である事が体感できます。
決して美味しくはないですが、『良薬口に苦し』という諺が二人の頭に浮かびます。


葉っぱ、種と食べると、最後は根っこが気になります。
モリンガの和名はワサビノキ。
根っこをすりおろすとワサビに似た味がするとか。


大きな気を抜くのはちょっと憚られるので、小さめの木を探しました。






これぐらいなら抜けそうだけど…。












モリンガを育ててみた


やっぱり抜くのはどうしても忍びないので、育ててみることにしました。
自分で初めから根っこを食べるつもりで育てれば罪悪感も感じないはず。


植木鉢に種をいくつか撒いてみました。
発芽率がわからないので、とりあえず8個くらい。


だいたい1週間ぐらいで鉢の真ん中に撒いた種が発芽。
結局この1つしか発芽しませんでした。


いきなり植えずに水につけたり、ポットで発芽させたりすればもう少し発芽率が上がるのかもしれません。





撒いてから2週間。
順調に葉を増やしています。




1ヶ月。
思ったより早くは育ちませんが、順調です。


その後、一度犬に鉢をひっくり返されてしまいましたが、再度植え直すとまた頑張って育ってます。
ヤワな感じはありありません。


犬から守りながら育てて、早く根っこを食べてみたいです。













まとめ


というわけでこれは面白い植物だと思いました。
人間に有用な部分が非常に多い植物モリンガ。
育つのも早く、成長を見守るのもわかりやすくて楽しい。


今私が興味を持っている、予防医療、 自家採種、採取食、物々交換、環境工学といったトピックをコネクトすることができる魅力がこの種にはあります。


ブログを書いている目的の一つでもあるのですが、同じようなことに興味がある人たちと繋がりたいと思っているので、種の交換を思いついたわけです。


さて、物々交換の条件ですが、あいにくメキシコの郵送事情は世界トップクラスの不安定なシステムなので、申し訳ありませんがメキシコ在住の方に限定したいと思います。


もちろん、カンクンを訪れる機会がある方は現地の交換も可能です。

交換して欲しいものは、1年以内に採取した食べられる植物の種、もしくは紙の本。


ずいぶん限定的で恐縮ですが、ご興味のお持ちの方はぜひご連絡ください。
お待ちしています。



2016年11月19日土曜日

チビータのセビッチェ



先日、以前から気になっていたイスラ・ブランカ(Isra Blanca)へ行った。
カンクンに引っ越してきてすぐのころにも一度行ってみようとしたのだが、途中の人気がない道で警察にカツアゲされてしまった。
それ以来、その道が軽いトラウマになってしまい、気にはなるもののどうしても気が進まず足が向かわなかった。


それでも、しばらくこの場所で暮らしていくうちに警察の対応にも慣れてきた。
奴らに絡まれない最善の方法、それは目を合わさないこと。
これに限る。


日本だと、露骨に目を背ければ逆に疑われそうなものだが、こちらでは完全に無視するのが一番安全。


愛車の具合はあいかわず微妙なので、オフロードの道に少し不安はあったけど、ずっと行きたい場所だったので意を決して昼前に家をでた。





イスラ・ブランカへと続く道はいつの間にか整備されていて、アクセスは容易になっていた。
前回は落ち込んだ気分で走っていたから気が付かなかったが、道中の景色はすでにとても気持ちのいいものだった。
視界に人工物がどんどんなくなり、マングローブのジャングルが濃くなっていく。


ふと、緑の切れ間からカリブ海独特の浅葱色の海が目にはいった。
それはカリブの海を見慣れた目にも刺激的な美しい海だった。





思わず声が出る。
息を飲むんじゃなくて、声を出してしまう。
あまりに綺麗なので、そのうち笑い出してしまった。


駐車場に車を止める。
料金は30MXN。
早く遊びたくて焦る気持ちを抑えながら、必要な荷物を降ろしていく。


イスラ・ブランカはカンクンのホテルゾーンと同じような地形をしている。
細い中州のような地形で、右手にはカリブ海、左手には湖が広がっている。
ホテルゾーンよりも陸地の幅が狭く、視界を遮る建物もなにもないので、カリブ海と湖の両方を同時に見る事ができる。




ちらほら他にも人はいるけれど、なんせ広いので気にならない。
ついさっきまでの日常をすっかり忘れてしまう圧倒的なトリップ感。


まずは海に入って、ビールを飲んで、潮風を浴びて寝転ぶ。
視界いっぱいに広がる水色の海を見ていると、海の色が何層にも分かれている事に気がついた。


面白いことにこの場所の海の色は刻一刻と変化していく。
太陽光線による時間の変化ではなく、紺碧の青から薄水色になり、また遠くから浅葱色がやってくる。


止むことのない緩い潮風を浴びながらひたすら海を見ながら寝転んでいると、頭の中は空っぽになっていく。


「気持ちいいねー」

「うん。家の近くにこんな場所があって良かったね。」





ビーチと反対側の湖の方ではカイトサーフィンを楽しんでいる人たちがいて、ふわふわと風を捕まえながら気持ちよさそうに湖面を滑っている。
西日が湖面にきらきらと反射して、波のない穏やかな水面に細かな模様を描いている。


「カイトサーフィン面白そう。やってみたい。」

「やってみたいね。それにしてもいろんなこと考えるね人間。」






「湖のほうも綺麗だから、見に行ってみよう」

「いいよー。あれ、なになれ?」


と、夢見心地でフラフラと湖のほうへ向かうと、見慣れない形の生き物がいる。
よく見るとカブトガニがいた。






「なにこれきもい…」

「うん…。きもいね。」


バンコクの屋台で一度みて以来のカブトガニは、なんだか生理的に気持ちが悪く、一瞬で目が覚めた。


近くには足が黄緑色した変な水鳥や、大量のカニがいたりして、ビクッとなりながらしばらく湖沿いを歩く。







すると、遠くの湖面にピンク色の点がいくつかあることにMiaが気づいた。


「あれ…、フラミンゴやん!」

「え!野生の?ついに?どこどこ?」


よーく目を凝らして見ると、確かに鶴のような姿をしたピンク色の鳥が何かをついばんでいる。
動物園に羽を拾いに行くほど好きなフラミンゴ。
それが目の前、といっても随分離れてはいるが、目の前の延長線上にいる。






美しすぎる海とフラミンゴ。
そのちょうど中間地点の湖の浅瀬で、何かを拾っている人がいた。


その姿を見てピンときた。


「あれは…チビータ拾ってはるわ!」

「フランシスコが言ってたやつ?カタツムリ?」


そう、フランシスコが教えてくれたチビータに違いない。
カタツムリって言ってたけど…、





「カタツムリじゃない!」

「カタツムリ違うわ。貝やわ。」


フランシスコが美味しい美味しいって言うから、チビータって何?と聞くとカタツムリの画像を見せてくれたので、すっかりカタツムリだと思っていたが、チビータは貝だった。


「フランシスコ、チビータのことカタツムリって言ってたやんな?」

「言ってた。写真でも確認した。まあええわ。拾お拾お。」


よく見るとあちこちにチビータがいる。
ゆっくり動いているのですぐに見つけられる。





「おるおる。いっぱいおるよー。」

「ねー。そこら中におるおる。興奮するね!

 あっちにも…は!

 …カブトガニもおる。怖いわ…。」


「カブトガニきもいね。」


何も悪さはしないけど見た目が気持ち悪いカブトガニを恐れながら、チビータを拾った。











イスラ・ブランカを満喫して家に帰ると、隣の猫が上から覗いていた。
触らしてくれない子けど、なにか気になるみたい。
チビータ効果かな。





チビータはフランシスコのお父さんが教えてくれたレシピ通り茹でてセビッチェにしていただいた。


肝心の味はというと、サザエを思い出すような貝の味。
これは美味い!!


醤油と合わせると日本の夏の記憶がフラッシュバックする。
ちょっと涙ぐみそうになる。
チビータ…。


とくに肝の部分が野生味を全く感じさせない濃厚かつ繊細な味。


「美味い…!これはパリや銀座で出てきてもおかしくないレベル!」

「そんなに?でもほんと美味しいね。お父さんのレシピもバッチリ。」






あの場所は遊べる。
自分たちの好きなことが溢れてる。


二人とももう他はもういいや、と思ってしまった。


また来週行こうかな。

2016年11月14日月曜日

ビバ・アエロブス(VIVA AEROBUS)を利用してメキシコシティへ行った

メキシコの国土はとても広いが、高速バスの路線はとても充実していて、路面状態もいい道が多い。
バスの料金は決して安くはないけれど、車を持っていない時にメキシコ国内の移動といえば、街から街を繋いでくれる長距離バスを使って移動することが多かった。


だけど、最近になってLCCの選択肢が増え、料金もどんどんお手ごろになってきている。
移動時間と料金を考えると、コストパフォーマンスはかなりいいように感じる。


今回、グアナファトに行く用事があったので、カンクンからメキシコシティまで、
ビバ・アエロブス(VIVA AEROBUS)を利用しました。
利用するにあたって、LCCならではの分かりにくい部分があったので、忘備録も兼ねて情報を残しておきます。





フライトの予約


LCCなので、預ける荷物や座席の指定など、各項目ごとに追加料金が発生します。
事前にVIVA AEROBUSのホームページを見て持ち込み可能な荷物やサイズを確認しましたが、イマイチ分かりにくい。。。
今回のフライト情報は下記の通り。



利用時期:2016年10月末
利用経路:カンクンーメキシコシティ 往復
カテゴリ:VIVALIGHT
持ち込み可能な荷物:手荷物2つまで       
   サイズ:55×40×20       
   重量:10kgまで
追加オプション:なし 

支払い:クレジットカード 
料金:1682MXN/人



手荷物は一人2つまで持ち込み可能。
カンクンの空港では重さを計りましたが、メキシコシティではノーチェックでした。
バックパックを小さくして無理やり規定サイズに近づけたのですが、カンクンでもメキシコシティでもかばんの大きさは特に気にしていませんでした。
でも、私たちの前にチェックインしていた人は重量オーバーで追加料金を払っていました。
10kgまでに抑えたほうがいいと思います。

保険や追加の荷物、空港からの送迎など、すべてオプションなしで追加料金がかからないようにしましたが、座席代だけはかかりました。
一番安い席を選んで片道一人60MXNぐらい。


支払い方法によっても料金が違いますが、カード払いが一番安かったです。




持ち込める荷物


預け荷物のオプションをつけないとなると、すべて機内持ち込みになるので、何を持ち込めて何が持ち込み禁止なのかが重要です。

近所の旅好きというセニョーラに聞いてみたところ、
「飲み物食べ物は無理!」
と言っていたので、行きの便では何も持ち込みませんでした。


でも実際は液体も、食べ物も持ち込み可能でした。

帰りの便で実際持ち込めたものは、
シャンプーとリンス(250ml)、カミソリ、ハサミ(刃渡6cmまで)、パン、ブラウニーなど。


液体の持ち込みは100mlまでとなっていますが、今回は特に咎められることはありませんでした。
食べ物も基本大丈夫なようです。
機内販売も空港販売もとても高いので、持ち込めるだけ待ちこむといいでしょう。
ちなみに機内では、ドリトス小とコカコーラで60MXNぐらい払っていました。
メキシコ人はみんなつられて買ってました。


カンクンの空港は売店もありますが、空港価格。高いです。
でもメキシコシティの空港にはセブンイレブンがあって、そこは普通の料金よりちょと高いくらい。
水が13ペソ、ビールが20ペソとか。
空港にしては良心的だと思います。
なので、メキシコシティから乗る場合はそんなに気にしなくてもいいかもしれませんが、カンクン発の場合は食べ物の持ち込みがオススメです。




チェックイン


チェックインに必要なのは予約番号とID(パスポート、運転免許所、滞在許可書)のみ。
予約番号はプリントアウトしても携帯の画面でもどちらでもOK。
預け荷物もないので一瞬でチケットを発行してくれます。






というわけでビバ・アエロブス、全体を通して非常にスムーズでした。


メキシコシティまで約2時間で到着。
同じ路線を長距離バスだと24時間かかります。


昔一度利用しましたがあれは長かった…。
乗車時間が長く、途中の休憩で何回もご飯を食べるので、到着する頃には乗客が家族のようになっていたのを思い出します。


時間に余裕があってバスが好きならいいですが、バスの料金も結局1000MXN以上かかるので、今は断然飛行機の方が楽ですね。


ビバ・アエロブス、また使うと思います。






メキシコシティ


メキシコシティの空港からセントロまでは選択肢が多く、どれも安い。
タクシーでもUberでも地下鉄でも、どれでも安い。
地下鉄だと5ペソ。
タクシーでも150ペソ。





メキシコシティでは10年ぶりにペンションアミーゴに宿泊しました。
変わらぬ安定した沈没力。
10年前と変わっていたのは、自分があの頃よりスペイン語を話せるようになっていて、宿の女将さんのマリアさんと話せたことが嬉しかった。


アミーゴでは世界1周中の人や、旅をストップして働いている人、いつのまにか出られなくなっている人、宮古島から2人の子どもを連れて石の買い付けに来ていたお母さん、自分の義足のデザインを求めてコスタリカの新種の昆虫を探しに来ているスケーターなど、それぞれがそれぞれ旅の途中を過ごしていた。


自分の知らない人だけど、何かのタイミングがおなじで、話をしてみて、共感できることがあると、それはとても嬉しい。


旅することが好きな人に出会えることも、旅の魅力だ。










おまけ:カンクンとUber




ショートトリップを終えて、カンクンに戻ってきた。
空港からの帰途に一度Uberを試してみることに。


現在キンタナ・ローでは、タクシー団体が利権を守るために州政府と一丸となってUberの参入を拒否している。
空港の外でアプリを操作していると、空港職員が不審者扱いでがっつりマークしてきた。
「ここではUberは使えないぞ」
半ば脅すような口調で言い寄ってこられるので腹が立ち、何としても使ってやろうと試みる。


1台目に配車した車は突然キャンセルになった。
2台目に配車した車はなんとか空港にまで来てくれたけど、ビクビクしながらすぐに出て行き、
「外の道まで出てきてくれ!」
と言われた。
荷物を持って外まで行くも、空港職員の男たちが後ろから追いかけてきた。
そんな職員を見て運転手は逃走。
さらに料金も引き落とされるという…。


「ここでは違法だ」
職員はそう言い切った。


実際、交通局が街中で Uberを検挙している姿を見かける。
運転手を引きずり出して客もろともボコボコにする動画も流れているよう。


そんな状況なので、おとなしくカンクン空港からはタクシーかADOのバスを使いましょう。





2016年11月4日金曜日

原因不明の蕁麻疹が全身に出たので、メキシコ庶民の味方メディコ(診療所)に行ってきた。

ふと胃変に気がついたのは仕事の帰り道。
手の甲にポツポツと発疹が出ていた。
虫刺されでもないし、何かのアレルギー反応のよう。


それが夜になるとだんだん発疹の数が増えてきて、かゆみも強くなってきた。
蕁麻疹の島がだんだん繋がって大陸になっていく。
最初は体の内側、皮膚の柔らかい部分に広がっていたが、結局指先から頭皮まで全身に症状が広がった。
かゆみも強く、その晩はほとんど眠れなかった。


翌朝うつらうつらと目をさますと、少し引いている。
ほっとして仕事に行ったが、結局昼過ぎくらいから再び症状が出てきて、痒くて痒くて仕事も手につかなくなったので早退して病院へ行くことに。







メキシコの医療事情


メキシコで病気になった場合の選択肢は、私立病院、公立病院(IMSS)、薬局に併設されている診療所(Medico)、ホメオパシーによる治療と、いくつかあり、患者の生活レベルによって行き先が決まってくる。


メキシコ人は大抵無料で利用できる公立病院(IMSS)を利用している。
ただ、IMSSは待ち時間が長いため、簡単な病気の治療であればMedicoやホメオパシーで必要なものを買って対応するのが一般的。
ただ、一般的といっても貧富の差が強烈なメキシコではその「一般」という層がいくつもある。
まるでインドのカーストのようにその格差は明確で、それぞれの経済事情により生きる世界も違っている。


日本人は私立病院を利用している人が多いが、私立なだけに医療レベルも金額も大きく差がある。
まだ海外旅行保険が適用されてるときに、一度血液検査を私立の病院で受けたことがあるが、検査だけでなんと1000ペソも請求された。
お世辞にも医療レベルが高いとは言えないキンタナ・ロー州では医療もビジネス的な側面が強く、医者の目は$マークに見えた。


その反面、公立病院であるIMSSの医療水準は医療大国として知られている隣国のキューバのそれと比較しても遜色ない、というか現状メキシコの方が国を挙げてしっかり取り組んでいる、
と、JAICAで発展途上国の医療に従事していたという日本人の医師が話していた。


ただ、私たちはまだIMSSの番号を持っていない。
メキシコに来てからホメオパシーは幾つか試してみたが、自分の体験した感想としては所謂フラシーボ効果の枠を超えるほどの効果は感じられず、今回のような緊急の症状に対して即効性は期待できない。


そんなわけでまずは薬局の横にある診療所に行ってみた。

左の店舗が薬局。車の奥の扉の奥にドクターがいる。





蕁麻疹の原因は…?


早速メディコで診てもらう。
ドクターの名はアントニオ。
あしたのジョーに出てくるような昭和の町医者風で、裏の仕事も引き受けてくれそうな少し崩れた雰囲気をもつお爺さん。


食事の内容、生活習慣について幾つか問診を受ける。
そして一言。


「はっきりとした原因はわからないが、おそらく豚だな。朝食で食べたハムに反応している可能性が高い。


豚のハム?
豚肉は今まで食べ続けてきたけど、一度もこんな症状になったことはなかった。
ただ、症状が出る日の朝食に食べた豚肉のハムはスーパーの特売商品だったので、もしかしたらそれが原因だったのかもしれない。
安かったもんな…。


ここは診療所なので、精密検査はできないし正確な原因は特定できない。
前にグアナファトでもMiaが体調を崩し、これまた原因不明の高熱が出たので同じようにメディコに行ったが、その時のドクターは原因を最後まで教えてくれなかった。
だけど、アントニオ先生はおそらくの原因を伝えてくれたので安心できた。


「薬局で買う注射のアンプルは1本でいい。それで今晩の様子を見て、あしたまだ引いてなかったらもう1本追加しよう」


薬の買い方の指示も合理的で良心的。
隣設している薬局で薬と注射器を買って、もう一度アントニオ先生に注射を打ってもらう。
打ってもらった薬はデキサメタゾン。ステロイド系の抗炎症薬だ。
刺激物を控えるように言われ、一晩様子を見ることに。
控えるように言われた食材は豚肉、卵、貝類、チョコレート。
コーヒーは大丈夫で牛乳はたくさん飲むように言われた。
(メキシコでは肌のトラブルには牛乳が効くと言われている)


出された薬。ビタミンE、ステロイド系の塗り薬、肌の乾燥を防ぐ大豆プロテイン、
抗アレルギーのアンプル(Dexametasona)
これ全部で240ペソ。







その後の経過


メキシコの注射は日本の薬のようにすぐは効かない。
効いてないんじゃ…と不安になってくる2、3時間後くらいから少しずつ、でも確かに効いてきた。
蕁麻疹は目に見えて引いてきて、塗り薬でかゆみも抑えられた。
その晩はぐっすり眠ることができた。


翌朝目をさますと、ずいぶんましにはなっていたが、まだ手の甲や足の指など、体の中心から遠い部分にまだ少し発疹が残っていたので、念のためもう一度再診してもらうことに。


昨日と同じように問診を受け、薬局で薬を買い、2本目の注射を打ってもらう。


「おそらくこれで快方に向かうはず。もし明日もまだ発疹が残っていたらもう一度おいで。その時は診察料金はいらないから。でも、これで終わることを祈っているよ。」


メディコの問診料は45ペソだ。
同じ医療従事者でも高額な治療費を平然とした顔で請求してくる私立病院のドクターとは全く逆の対応に心を打たれる。


感謝の言葉を伝えて、今日の治療費45ペソを渡す。
アントニオ先生は折りたたまれた20ペソ札にキスをして、胸の前で十字を切った。


「ありがとう。君の回復を願っているよ」


診察料は45ペソ。夜と日曜は50ペソ。


翌日には完全に蕁麻疹は引いていた。
蕁麻疹は体調が悪くなるわけではないけど、原因不明なことが多く精神的に落ちる。
3日ですっかり直してくれて、アントニオ先生には本当に感謝した。


おそらくメディコも他の病院と同じように、場所やドクターによってバラツキがある。
ある人は
「あんなとこ行ったらダメだよ。賞味期限の切れた薬出されるよ」
とも言っていた。


でも、自分の経験は違う。
アントニオ先生の穏やかな笑顔やはっきりとした意見は、インターネットで蕁麻疹を調べまくって落ちていた自分を安心させてくれたし、2本の注射で症状を治してくれた。
隙があれば稼いでやろうという人が多いこのエリアで、純粋に人助けのために生きている人に出会うと余計に美しく見える。
これが自分の経験。







海外で病気になると、日本で病気になるより遥かに不安になる。
インターネットでいくら調べてもその不安は決して解消されない。
インドでお腹を壊した時もそうだったけど、もう死ぬのかなと思うような症状でも、地元の医者にかかると案外すぐ治ることもある。


その場所を選んで住んでいるのだから、その場所で生活している人たちを信じて託すことが、一番科学的に正解に近い行動なのかもしれない。

2016年10月30日日曜日

ハマベブドウ (浜辺葡萄/ Uva de Playa)を摘んでジャムを作った。

フランシスコの家族との交流は私たちにとって有意義な時間でした。
カンクンに来てようやく野生の植物について詳しく教えてくれる友達が出来たことがとても嬉しかった。
また、彼にとっても自分の知識の共有を喜んでくれる日本人の存在は興味深いようで、話し出すと盛り上がって話しが止まらない。


「今の時期はUva de Playaが旬さ。ホテレラのマングローブにくっついてたくさん実ってるはず。」

『へー。すごいね。ブドウがなってるんやね。僕らはまだ何も知らないけど、カンクンにも食べられる果物がたくさん自生してるんやね』

「いっぱいあるさ!イスラ・ブランカまで行けばヒカコも採れるし、チビータも採れるさ!チビータはセビッチェにすると最高さ〜。」

『なになにヒカコって?チビータは果物?』

「チビータはカタツムリさー」

『カタツムリか…。』


と、いう具合にたくさん食べられる物を教えてくれたけど、カタツムリはまだ少し抵抗があったので、とりあえず近くで簡単に収穫できそうなUva de Playaから始めてみました。




ハマベブドウ (浜辺葡萄/ Uva de Playa)



Uva de Playaの和名はハマベブドウ。
フロリダ沿岸からメキシコ、西インド諸島、ブラジル北部の海岸線に自生しているブドウに似た植物。
フロリダでは夏の風物詩になっていて、ハマベブドウの実をゼリーに加工した物が好んで食べられているそうです。


カンクンではホテルゾーンの手前にある公園、Jardin del Arteに自生していて
食べごろの旬な季節は8月から9月。
カンクネンセ(カンクン在住の人)はみんな知っているようで、探していると
「あっちにあるよー」や「向こうの木の下にもたくさん落ちてるよ」
などと、たくさんの人が声をかけてくれました。


メキシコ人の友人は、大学のイノベーションビジネスというクラスで、その辺に生えてるこの果実を採取して加工・販売するという課題が出たと言っていました。
好き嫌いは別として地元の人には馴染み深い木のようです。





ハマベブドウの木。
円形でお皿のような葉の形と、連なった房状の実が特徴的なのですぐに見つけられます。
木に実っているものよりは地面に落ちているぐらいのものが食べごろだそうです。
たしかに木に実っているものは熟した色でも渋味が残っていました。





見た目は完全にブドウ。
最初はなかなか食べごろの物を見つけられませんでしたが、目が慣れてくると簡単に見つかり出しました。
鳥も虫も食べまくっていますがそれでも追いつかないぐらい実りまくっています。








気がつくと木の下の足元はハマベブドウの絨毯に。
日本のヤマブドウのような野性味のあるブドウの香りが漂っています。
食べごろの見分けもつくようになると、後はひたすら一心不乱に実を拾い続けていると
いつの間にかトランス状態になり、気がつくと随分離れた場所まで来てしまっていました。
ここにはヒグマはいませんが、クロコダイルがいます。







30分ぐらいでたくさん集められました。





実をそのまま食べると酸味、渋味があり種も大きいので、そのまま食べるよりも加工して食べる方が美味しくいただけます。
今回はMiaがジャムを作ってくれました。
野性味のあるブドウの香りが力強く、美味しかったです。
フロリダ名物のハマベブドウのゼリーのレシピはこちら





一旦目が植物を認識すると、今まで毎日見ていた景色なのに見え方が変わってきます。
よく見ると街のあちこちでハマベブドウが目に入ってきます。
でも実り具合はやはり最初にフランシスコが教えてくれた通り、Jardin del Arte が一番。


見つけられて沢山収穫できたこと、ジャムにして美味しく食べたことをフランシスコに伝えると嬉しそうに笑っていました。
そして一言。

「いっぱいあったでしょ?でも一番美味しいのはやっぱりチビータさー。」


いや、カタツムリはちょっと…。
でも毎回勧めてくるし…。


なんにせよ、少しずつ好きな遊びを始められつつあるので、地元の野生の情報をシェアしてくれるフランシスコに感謝です。

2016年10月23日日曜日

カンクン近辺の地域で収穫された食材を手にいれる

ダウンタウンで毎週日曜日に開催されているチアンギス(青空市場)にて


 10月に入った頃から、常夏のカンクンの気温も少しずつ落ち着いてきた。
グアナファトで仕込んだ味噌も全部食べきってしまったので、次の味噌を仕込もうと思っていたのだが、なにしろ高温多湿。
味噌の天敵であるカビにとっては天国のような環境なので、どうしても夏の間は仕込む気になれなかった。


暑さの盛りもようやくひと段落したようなので、いよいよ味噌を仕込もうと大豆を探していたのだけど、スーパーで売っている大豆はどうも美味しくなさそうなので、地産の野菜を直売で買える場所を探していた。


すると、私たちが住んでいるレジデンシャル(集合住宅)の警備をしてくれているフランシスコが、
「それならうちの近くのチアンギスに売っているよ。新鮮な野菜を農家がPuebloから売りに来ているから」
と教えてくれた。


ちょうど私たちは、フランシスコのお父さんが持っているという土地にも興味があったので、一度見せてもらえないかと彼にお願いしていた。
お父さんも歓迎してくれたそうので、土地訪問と合わせて途中でチアンギスに立ち寄り、案内してもらえることになった。



チアンギスで売られている野菜や果物。不揃いだが生き生きとしている
























チアンギスが開催されている場所は、ダウンタウンの北側を東西に走るロペスポルティージョ通り沿い。
ポルティージョをプエルトフアレスからメリダ方面、つまり西のほうにまっすぐ行くと左手に大型スーパーのチェドラゥイが左手に出てくる。
そのチェドラゥイの反対側がチアンギスの開催場所だ。
普段はただの住宅街なのだろうが、市が立つ日には所狭しと露店が並ぶ。
生活雑貨、服、CD、魚介類、野菜、タコス、アイス、ジュース…なんでも売っているといってもいいぐらい品揃えは豊富。




魚介類。野外で売ってるがスーパーで売られているものよりも新鮮。




味噌に使う大豆を探そうと、
「フリホーレスのブランコ(白)が欲しい」
とフランシスコに伝えると、野菜を売っている人に片っ端から声をかけてくれてすぐに見つけてくれた。


そして私はこの時、メキシコの国民食であるフリホーレスが大豆ではなくていんげん豆だということを初めて知ったのだった…。



フリホーレスブランコ(白いんげん豆)発見。


さんざんチアンギスに行く前から注文していたので、白いんげん豆を購入。
大豆はSoyaですね。醤油もSalsa de soyaと呼んでいたけど、フリホーレス=大豆と思い込んでいたので結びついていなかった…。


そのほかにも蜂蜜やモリンガ、有精卵や野菜など、普段スーパーで目にするものより安くて素朴で美味しそうなものをそれぞれ生産者から購入。
途中で買い食いもはさみつつ、1時間近くぶらぶら買い物しつつ食べ歩き。
自分たちが全体のどの程度見て回ったかも分からなかったぐらい広大な範囲のマーケットでした。


探していた豆も一応 手に入れたので、カンクンと隣町のレオナビカリオ(Leona Vicario)の間にあるフランシスコのお父さんの土地へ向かった。
お父さんはなんと街から自転車。私たちより少し遅れて登場すると、すぐに敷地内に生えている植物のことを教えてくれた。














フランシスコのお父さんの土地にて


Chile max

小豆ぐらいの大きさの小さなチリ(唐辛子)の一種。
ピリッと辛く青唐辛子のような香りがクセになる。辛味は一瞬であとに引かない。
普通のチリより辛くなく、香りも辛さもちょうどいいのでこの時以降常備するようになった。

種はそのまま地面に落ちると水分に弱いため劣化してしまうが、鳥が食べることによりフンによって種がコーティングされ、そのあと発芽するそうです。
そんな複雑な経緯を経たとは思えないほど雑草のようにワサワサ茂っていました。



Chile Max(チレ・マッシュ)






Pimienta de Tabasco

タバスコ地方の胡椒の木。
シナモンとクローブとナツメグを足して3で割ったような香り。
種子も葉も非常に良い香り。
木の表皮、根も同様に良い香りでスパイスとして食用されており、種子からは精油も抽出可能。
建築材としても質が良く、農村地域でよく使用されている。
葉はお茶にしても飲める。

Pimienta de Tabasco(ピミエンタ・デ・タバスコ)


木の表面はすべすべ。大きくなると25m近くまで成長するそう。




お父さんもフランシスコも唐辛子や胡椒の他にも、生えているレモンやココナッツをあるだけ採ってどんどんくれる。
ココナッツをその場で割ってみんなで飲む。
歓迎してくれていることが伝わるおもてなしに胸キュン。



ココナッツでティータイム

一通り土地を案内してもらい、お礼を言って帰宅。
家に帰ってから、チアンギスで手に入れた食材とフランシスコのお父さんの土地でいただいた食材を早速食べてみた。


調理法は唐辛子と胡椒の葉でフリホーレスを煮込み、卵とじただけのシンプルな料理。
シンプルながらもそれぞれの食材の味、香りがしっかりと感じられ、美味。
カンクンに来て初めて土地とのつながりを感じられる食事だった。


勘違いしていた白いんげんで味噌も仕込んでみた。
どうなるかまだわからないけど、豆を潰した感触は滑らかで期待ができそうな見た目。
こちらは半年後のお楽しみ。


農家から直接野菜を買って、土地に生えている植物から採取する。
地産地消かつフェアトレードなやりとりは、体にも心にもお財布にも、そして地域経済にとっても良いサイクルだ。










2016年10月3日月曜日

メキシコで仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)を始めてみた

以前から興味は持っていたものの、なかなか手が出なかった仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)。
仮想通貨の中では基軸通貨と言われています。


これまでも、未来の世界・投資・海外送金など、いろんな場面で私たちの検索結果に引っかかってきていたのですが、複雑そうなシステムの理解にイマイチ気が乗らず、手を出せずにいました。


取引所が破綻したというニュースも耳にしましたが、私たちにとってはそのニュースがどういう意味なのか理解することすら困難でした。


しかし、メキシコペソがどんどん下がっていくのを見ていて、
「もしこのままデノミになったらどうしたらいいんだろう…」という不安のほうが強くなり、いざという時に備えてメキシコペソを動かせる準備をしておこうという話になりました。


日本に暮らしているときは経済危機や円の通貨危機なんて、半ば都市伝説のような現実味を感じられないことでしたが、新興国では珍しいことでもなく、実際に過去になんども起こっている出来事。
メキシコの通貨危機を体験した人と話すと、特に現実味を帯びてきます。




昨日出会った、御年65歳のセニョールは、
「お金の価値が何分の一にもなって、大変だったよ。。。」
と言っていました。
それはそれはとにかく大変だったと。


でも、その世代の人達はそのこと(デノミ)よりも、人生でもっと大変な出来事を幾つも経験しているので、通貨危機も人生の1ページにすぎないようです。


お金の価値が変わっても死ぬわけでもないし、大したことではないというか…。


「そんなことより昨日そこでワニが人を食べたんだぞ。」
と、さらに衝撃のニュースを被せてこられたので、結局デノミ当時の詳細は聞けずじまいでした。






こんなにビクビクしているのは私たちぐらいの気もしますが、そんなこんなでこの機会にBitcoinを始めてみたわけです。






開設の流れ


メキシコ国内で利用できるBitcoinのシステムはいくつかあり、そのほとんどの企業がYoutubeで使い方を説明してくれています。


いくつかの動画をチェックして、シンプルな説明で分かりやすかったVolabitを選びました。


口座の開設自体はとても簡単です。メールアドレスを入力してパスワードを入力。(Registarme!)
送られてきたメールを開いて自分の口座をアクティブにします。(Activar mi cuenta)
開設はこれでおしまいです。


マイページの表示もとてもシンプル。
上部にメキシコペソ、下部にBitcoinが表示されています。
最初は当然両方0です。


口座が開けば続いて入金です。
まずはメキシコペソを自分の口座に入金します。
マイページからメキシコペソの入金(Depositar)をクリック。
希望の入金金額を入力。
(最初の入金限度額は500ペソから。実際は手数料がかかるので499ペソから。)


そして、金額をどこで支払うかを選択します。
Volabitの入金を受け付けてくれるのは薬局やコンビニ、スーパーなど。(Ahorro,oxxo,extra,sorianaなど。coppelやelektraでも入金可能です。)
インターネットバンキングを利用する日本と違って、現金払いの入金です。

そう、仮想通過の口座に入金するにはコンビニまで足を運ぶ必要があるのです。
このアナログ感よ…。



支払先によって手数料が異なるので、それぞれ確認して安いところを選びましょう。


支払先を選択すると読み取り専用のバーコードが出てきます。
その画面をプリントアウトして支払先に持っていけばレジで入金することができます。


実際に何度かコンビニに持って行きましたが、店員さんは不思議そうな顔を浮かべながら受け付けてくれました。
メキシコシティやモンテレイなど経済が先進している地域ではどうかわかりませんが、ここカンクンではまだまだ浸透はしていない反応です。


さて、これで自分の口座にメキシコペソが入金されました。
あとはBitcoinのレートをチェックしながら、自分のタイミングでメキシコペソからBitcoinに両替をするだけです。








手数料など



Bitcoinを扱う時には手数料が発生します。
固定なのか変動性なのかまだはっきりわかりませんが、実例は以下の通り。


Volabit間のBitcoin送金手数料
0.1Bitcoinの送金に対して3〜4MXN


メキシコペソの入金手数料
Volabitの手数料→11MXN
支払い受け取り店(コンビニや薬局など)の手数料→8MXN


両替手数料
これは両替する金額によって変動するようです。
1Bitcoinに対して108MXN


手数料が何かとかかるようなので、自分たちが使用する状況に応じて手数料を安く抑える方法を調べて選択する必要がありそうです。


ちなみに両替や送金には15分程度時間がかかりました。
この送金時のタイムラグは、
「え?今私のお金どこに行ってるの?無くなったの?待ちなの?」
と結構不安になりました。







入金限度額の拡大



最初にVolabitの口座を開設した時点では、入金限度額は500MXN/1日に設定されています。
少額をなんども入金する場合の手数料や、口座を開設した目的である資産の移動を考えると、限度額は広げる必要があります。


限度額を広げる方法は携帯番号の認証、TwitterやFacebookなどのSNS認証から始まり、身分証明書のアップロード、直近3カ月の銀行口座残高の証明書のアップロードをすることによって入金限度額を上げることができます。


身分証明書や銀行口座の情報などは、デジカメで撮った写真をアップロードすることで認証されました。
途中で書類の不備があった場合には、登録したメールアドレスに進行状況を伝えるメールが届きました。
オートマチックな自動返信メールではなく、担当者が個別にメールをしてくれているようです。







いざ、お買い物



さて、早速MiaがBitcoinを使ってお買い物をしてみました。
買い物先はBitcoinに対応している、とあるアメリカの雑貨店。


Amazonなどと同じように買い物カゴに商品を入れて決済。
支払い通貨でBitcoinを選択。


決済ボタンをクリックすると画面には保留(Pendiente)メッセージが表示されました。
そのまましばしの沈黙…。


「えー…。また。大丈夫かな…。」


不安になりながら待つこと10〜15分。
時が来ると認証完了です。


うーん。慣れてないとちょっと不安です。
認証にかかる時間が通常のクレジットカードなどのやりとりと比べると長く感じます。
というか実際長いです。









感想



Volabitのサイトは全体的に操作性もシンプルでわかりやすいです。
サポートセンターもしっかり機能していて、質問に対してチャットですぐ返答してくれます。
決済に時間がかかかることや入金限度額の引き上げは多少面倒ですが、まあなんとか許容範囲内かな。


まだ、得もしていないし損もしていませんが、備えることができたので満足です。


使用通貨が3種類になって、それぞれ日々変動するのでだんだんよくわからなくなってきましたが、少しペソの下落も落ち着いてきたので、しばらくは安心してのんびり過ごせそうです。


開設してみようかなという方はこちらから(Volabitのページに飛びます)
Volabit




日本最大手のビットコイン取引所はbitFlyer。
海外在住者でも口座開設が認められています。
メキシコからでも開設できました。

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