2016年1月24日日曜日

グアナファトにあるエコロジカルな建築のカフェ

私達はストローベイルという建築方法で自分たちの手で家を建ててみたいと考えているのですが、その話を今住んでいる家の大家さんと話していると、


「セントロの近くにある、”Museo Casa Diego Rivera”(ディエゴリベラの博物館)の前にあるカフェは、あなた達の興味がある建築方法で建てられているわよ。」


 と教えてくれました。









ストローベイル建築とは藁のブロックを組み合わせて構築された建物、またはその方法のことを指します。
材料となる藁は世界中どこでも手に入れることができる上に、食料の副産物として大量に発生しているため、現在その多くは家畜の食料、もしくは廃棄されているのが現状です。


仮に世界中の家が全てストローベイル建築の建物になったら、それはそれで材料が足りなくなると思うのですが、今の世界の状況、今のタイミングにおいては藁は不要なものであり、それを有効に活用して家が建てられるということになります。


建築資材としての藁は防音、断熱、湿度調整が自然にできるといった利点があり、大きな音を気にせずに出せるストローベイルのスタジオ兼クラブなどあれば面白そうだな…と想像しています。




ただ、日本では資材の中心となる肝心の藁が意外と集めにくく、雨と地震が多いといった気候や風土に合わせた工夫が必須であり、また、建築基準法においても藁と土だけで家を作るストローベイル建築は認められていません。






















なぜそのような建築方法で、また自分たち自身の手で家を建てたいかという理由はいくつかあります。


まず、間取りも外観も自由にデザインできるということ。
”自分で家を建てる”という、昔なら当たり前だけど現代では特別な経験をすることができること。
どこがどうなっているのか理解できれば補修修繕も自分の手でできるということ。
そして何より、ローコストであることです。




長野県は大鹿村に住んでいる友人、というか大先輩のHさんは、制作期間1年半で友人とログハウスを建てられたそうです。
建築にかかった費用は普通に新築の家を建てる予算に比べるとずいぶん安価ですが、とても居心地の良い家です。


メキシコだと、さらにその半分くらいの予算で建てられるんじゃないかと前向きに試算しています。










そんなわけで、セルフビルドに取り入れることができそうな有機的な建築のアイデアを期待して、教えてもらったカフェを訪れました。

Escarola

住所: Positos 38, Zona Centro, 36255 Guanajuato, Gto.
電話:473 732 0632
営業時間: 10:30〜20:00




そこはとても気持ちのよい場所でした。
そしてカフェじゃなくてベジタリアンレストランでした。


座席はほとんどが明るい光が射している中庭に面していて、座っているだけで心地良く、土壁や漆喰でぬられた壁にはワインボトルが埋め込まれて、光を取り込んでいました。







木でできたテーブルの隙間からはサボテンが生え並び、お昼のランチもグアナファトにしては珍しく見栄えもよくて美味しかったです。









庭の奥にはライブスペースもあったりして、ヨガやECO-TIANGUIS(オーガニックマーケット)も定期的に開催されていたりする様子。


そして、これまたグアナファトでは珍しくビーガン対応のメニューも。



ベジタリアンレストランだそうですが、アラチェラ(ハラミ)やパボ(七面鳥のはずだけどハムだった)、ポヨ(鳥肉)もメニューにありました。







瓶を壁に埋め込むことによって、大きな窓がなくても室内に光を取り込むことができていますね。




眺めているだけで、どのように作ったかを容易に想像することができるので、これならできそうだな、という気分になりました。


















北米や北欧では一昔前から自然素材を生かした建築は盛んに行われており、メキシコをはじめとした中南米ではストローベイル建築のような、有機的な建築方法(BioConstraction)が今まさに盛り上がり始めています。


ここではまだまだ洗練されていない時期なので、多種多様な新しい個人的なアイデア、そして様々な失敗例も見ることができて興味深いです。


現在日本で建てられているエコロジカルな建築物はクオリティが非常に高いものばかりです。
日本人は失敗しませんね。


それゆえに、メキシコに比べると素人が気軽に挑戦することに対してのハードルが若干高い気がします。厳格な法律もあるので、簡単にはできなさそうだと感じてしまいがちです。


しかし、今のメキシコではできそうな気がします。
まずは手頃な土地を見つけて、家造りを進めていきたいと思っています。


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