2017年2月27日月曜日

メキシコの美味しいミネラルウォーター

メキシコの水事情


メキシコは水源が多く、広い国土の中に湧き水、温泉、セノーテ、と、様々な形で水が湧いています。
といっても、国全体が潤っているわけではなく、砂漠や乾燥した高原地帯では慢性的に水不足。
飲み水だけでなく、生活用水も貴重な資源という地域は少なくありません。


地名の中には湧き水を表す地名(Ojo de agua/Agua de manantial)もよく目にしますが、実際に今もその場所で豊富に水が湧いているかといえばそうでもなく、「かつて」水が湧いていた場所が多いように感じます。




私たちが住んでいるユカタン半島にはいくつもセノーテがあるので、マヤの人たちは水源としてセノーテの近くに都市国家を作りました。
セノーテはマヤの人たちにとって貴重な生活用水でもあり、儀式の場でもあり、信仰の対象でもありました。
ジャングルが広がり、セノーテがたくさんある場所。
そう聞くと、水には困らなさそうですよね。


しかし、現代人の私たちにとっては、他の地域と同じく、飲み水にも困らないほど水に恵まれている!とは言えません。


ユカタン半島は確かに水源は豊富です。
が、水道の水を直接飲むことはできません。
その大きな理由の一つは、石灰成分が強すぎて、飲用には適していないということ。


普通に暮らしていても、石灰成分が強いことを体感する機会が多々あります。


一度、うちのシャワーが壊れたときにヘッドの部分から水漏れが続いていたことがありました。
その水滴を雨漏りの水を受けるように大きなタンクで受けていると、三日もするとタンクは石灰で真っ白に。

水道の蛇口も定期的に掃除しないと、石灰成分が固まって水の出が悪くなってしまいます。
水道管に付着した石灰成分が石化して、水道管が詰まることも。
それほど、この地域の水は石灰成分が強いんです。



また、メリダの人はカンクンの大規模な開発に下水システムが追いついていないため、水源が汚染されているとも言っていました。
ソースも信憑性もあやふやなのですが、海岸線に乱立する巨大なホテル群を見ていると、あながちただの噂とも思えません。。。




メキシコでは、先進国のように各地域で毎年水道水の水質について政府が検査をして、その結果を公表しているわけではないので、何かが起こった時(感染症や赤痢など)に、水が原因だったと発表され、そこで初めて国民は水質について知ることになります。


その長年の積み重ねで「水道水は飲んではいけない」というざっくりとした見解が国中の共通認識として広まっているのが現状。




なので、現地で暮らすメキシコ人も外人も、飲み水は日常的に買っています。
料理に使うかどうかは人によりそうですが、私たちは料理にも買った水を使っています。


市販されている水の9割以上はミネラルウォーターではなく、ピュリファイドウォーター(Purified water)と呼ばれる「浄水」です。


ピュリファイドウォーターとは、水道水をろ過、殺菌、成分調整した水のこと。
水に含まれる不純物をフィルタリングするので、いいものも悪いものも取り除いた「浄水」です。


Costcoとかで売られている安い水はほとんどがこのピュリファイドウォーターです。
原材料の部分を見ると浄水(水道水)と表記されています。


人体に与える悪影響を取り除いたこの水は、安全面から考えると素晴らしい技術です。
なんせ飲めない水を飲めるようにするのですから。


でも、贅沢を言えば、その水には味や風味はありません。
工場で作られた水だからです。


つまり、湧き水(セノーテ)はたくさんあるけど、飲み水は浄水という、飲み水に関しては少し残念な環境。


残念と言っても、セノーテの水を受け付けない、自分の体が作り出してる環境なんですけどね…。
マヤの人たちは何千年も水源として直接飲んでいたわけですから。





さて、そんな水事情のため、ここメキシコでは水は生きるために飲むもの。
味わうものではありませんでした。

Sta.Maríaに出会うまでは…。











イスタクシワトル山(Iztaccihuatl)の湧き水、Sta.María




ある日、Miaがメキシコの湧き水をボトリングしたミネラルウォーターが市販されている!という情報を見つけてきました。


その名はSta.María。


平均して他の水より気持ち値段が高いが、スーパーによっては他の水より安い。


早速調べてみると、ラベルには見覚えがありました。
確か、いつも行ってるスーパーにも売っていたはず!


早速、購入して飲んでみました。


すると…。


美味しい!!



口当たりが柔らかくて、ほんのり甘みも感じられます。
この2年間毎日飲んでいた水(浄水)と明らかに違いがあり、懐かしい記憶がよみがえってきました。


なめらかな口当たりに、かすかな甘みがあるってことは、もしかして…軟水!?


そう思って調べてみると、やっぱりそうでした。
硬度38.5、ph7.4の軟水です。




軟水と硬水はそれぞれにメリットとデメリットがあります。
料理によって向き不向きがあったり、石鹸の泡立ちが変わってきたり、髪や肌に優しかったり厳しかったり…。などなど。

ただ、そのまま水として飲む場合、日本人にとっとっては慣れ親しんだ軟水が美味しく感じます。
私たちも断然軟水が好きです。


わずかな味、感触の違いですが、とても気持ちが豊かになりました。





1.雪解け水は山に浸透し、
2.その過程で岩からのミネラルを吸収し、
3.その水が湧いているところでボトリングしてますよと。









Sta.Maríaは、メキシコシティとプエブラの間にあるイスタクシワトル山の自然保護区域から取水されているそうです。


イスタクシワトル山は標高5,286mの休火山。
そのシルエットが仰向けになった女性のように見えるため、地元の先住民族、ナワ族からは「眠る女」と呼ばれています。
また、”イスタクシワトル”は、現地の言葉ナワ語では「白い女」を意味しています。

確かに山のラインが女性的で、とても綺麗な山です。



イスタクシワトル山。
左側を頭にして横たわる女性のよう。
画像はウィキペディアより。




山自体が巨大なフィルターとなり、雪解け水には山の恵みであるミネラルが含まれています。

富士山の湧き水みたいな感じですね。


また、美味しい水を生み出してくれる貴重な山の生態系を守っていくために、Sta.Maríaのスタッフは周辺住民の力を借りて植林活動も行なっているとのこと。


その辺のサイドストーリーも好感が持てます。
というか好きです。嬉しいです。
飲むことで応援したいと思いました。



今度メキシコシティに行った時には、イスタクシワトル山まで足を伸ばしてみたいと思います!


Sta. Maríaホームページ

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